RESEARCH 02 Regional Resource × Management

RESEARCH 02 Regional Resource × Management

地域の経済を活性化するために、地域固有の資源のマネジメントの方法について、地域資源分析モデル(IBECモデル)の活用を提案しています。
IBECモデルでは、地域資源に関する価値観を2つの軸で分類します。
1つの軸が伝統技術などの歴史的価値観を尊重するのか、革新への挑戦など新しさを求める価値観を尊重するか、によって分類します。
もう1軸が生産資源としての経済学的価値(製品・サービス)と、製品やサービスを使用して得られる経験価値(Schmitt,2000,2003)です。
両者はモノに価値を見出すのか、経験などのコトに価値を見出すのかの違いです。
この2軸の分類に従えば、地域資源は4つの経営資源に分類されます。

「Creator」
伝統や歴史を尊重しつつ、生産資源価値を大切にする類型
技能伝承や里山資本主義による資源深耕が課題となります。

「Encounter」
伝統を尊重しつつ経験価値を重視します。
座禅や祭りなど異文化との出会いが課題となります。

「Innovator」
生産資源価値を重視しつつ、既存の価値観を大きく変える革新的活用を目指します。
人や組織の新結合などが課題となります。

「Ba」
場の創出が価値を生み出します。
既存のもの・サービスを新しい方法でアレンジするなど、新たな価値観を持ち込むことで、人が集い、観光資源が生まれる可能性があります。

類型ごとに、異なる地域資源、プレイヤー、顧客、組織観が形成されます。
また、地域によって、開発可能な地域資源が異なるため、IBECモデル上に地域資源をマッピングすることで
地域の人が開発すべき資源を客観的に検討することが可能になります。
IBECモデルについての詳細は、井村(2019)「戦略的地域資源経営に向けた文化・組織観:新たな分析枠組みとしてのIBECモデル」
関西実践経営第57号pp.39-54.をご参照ください。
ご入用の方は、メールにて御連絡ください。

取り組んでいる調査プロジェクト

●フィンランド・オウル市のノキアショックからの復興
●京都・錦市場商店街の歴史的商店街としての営みと観光地化による変容
●アニメーションの聖地巡礼とアニメ業界の構造的変化

基盤研究(B)代表「このHPの研究成果公開は、JSPS科研費 JP18H00899の助成を受けたものです。」