RESEARCH01 Culture × Management

RESEARCH01 Culture × Management

「美しさ」や「美味しさ」など、人のセンスに左右される製品・サービスのデザインを研究しています。
「美しさ」や「美味しさ」は、客観性、効率性で議論することは出来ません。
何を美しい、何を美味しい、と感じるかは、個人の感覚に依存しています。
またそれは、クリエイター側だけではなく、顧客側がどう捉えるか、によって評価が大きく異なります。
日本料理とフランス料理でも異なり、同じ日本料理でも関西と関東で料理店のマネジメントが異なる理由の1つは、文化的背景の違いにあります。
「美しさ」「美味しさ」をつくり出すクリエイター側の背後には何があるのか。
個人として、また組織として、こうした感性を活かした製品・サービスをつくり出すプロセスやメカニズムに関心があります。
本研究では、デザイン・マネジメントを4つの要素から捉えて分析しています。

●Communication
デザイン思考やコミュニケーション・デザインは、工学(Engineering)、ものづくり(Craft)、芸術(Art)の各分野において、それぞれのプロセス内あるいは互いのプロセス間でのコミュニケーションについてのインフラの役割を果たします。

●Engineering(工学)
技術的なイノベーションの優劣、新規技術の開発と発展、既存技術の深耕、など。互いのコミュニケーションの前提として、ロジックや知識の共有が重要となります。自動車業界等の製品開発でコンカレント・エンジニアリングや関連企業との共同開発が求められるのも、工学面におけるコミュニケーションの効率を高めるためです。近年では、料理等従来とは異なる分野でも科学的知識が求められる場面が増えています。

●Craft(ものづくり)
熟練工の技、ものづくり組織、技能伝承等が中心的課題となります。日本では特にものづくりを対象とした技能伝承に関する研究が多いですが、Craftは、ものづくりだけでなく、サービス産業も含みます。

●Art(芸術)
アートマネジメント、美しい、かわいい、など、人の感性に訴えるデザインなど、感性に訴える商品やサービスを指します。

それぞれの頭文字をとって、CECAモデルと呼んでいます。
この中で、私が関心を持つのは、CraftやArtの要素が強いデザイン・マネジメントであり、各要素間での関係性や顧客との間でのCommunicationです。
2018年より「美味しさ」を競争力とするデザイン・マネジメントについて料理店を対象に、料理店のマネジメントや料理人のキャリア・マネジメント、料理人間での技能伝承などのテーマを、戦略、デザイン、料理人の3つの観点から分析しています。

取り組んでいる調査プロジェクト

●ミシュラン・星付きレストランを対象にした研究
●「美味しい」というリアルな口コミをによる料理店でのフィールドワーク
●SNSや口コミサイト等ビッグデータの分析

挑戦的研究(萌芽) 「このHPの研究成果公開は、JSPS科研費 JP18K18586の助成を受けたものです。」